電車

濱ノ屋与太郎

2011年06月17日 02:05




夢と現実の狭間の出来事は、この気だるい身体が覚えている。



外は降りしきる雨。
電車のエアコンは無理やりにも濡れた身体を冷やす。
寒くはない。
寒いと思う心が寒いのだ。
ガタガタと揺れて流れる景色はその町から遠ざかる。



いつかのままではなく、いつかの日へ。
今日の価値は明日への道しるべ。
夢を捨てれば夢になる。
交わした小指が離れぬようにと希望という電車を今走らせる。



流れる風は違えども、同じ月が永遠に滲まぬようにと心から思った。








関連記事